模型を作っていないわけではないのですがここ数ヶ月微妙に壁にぶつかっている感がアリアリと御座いまして、特にフィギュア塗装に関してそろそろ色々と現行の色の作り方は限界なのではないか、であるとか、或いはそもそも色を置く位置は正しいのか、などと自問自答する日々が続いている次第であります。ある程度の自信を持って塗れなくなっている、というか、或いは結局袋小路か、噫。
はてさてそんな事をしている間に、昨年の末頃よりどうやら世に数ある趣味の沼の中でも比較的業の深い部類に入ってしまいますカメラ沼に落ちたようで御座いまして、さらば諭吉、君の安住の地は我が懐に有らざりと、そう嘆かざるを得ないような自体で御座います。しかも性質の悪い事に、うっかりフィルムカメラに囚われてしまいまして。手前のような平成人にとってフィルムカメラとは即ち幼き日のノスタルジアを象徴するが如きアイテムの一つと言ってよく、なんとなく昔母が買い与えてくれた安いコンパクトフィルムが宝物だった頃を思い出して少し懐しいような気分を思い出しました。
自分の金で最初に買ったフィルムカメラになったのはこの旭光学(現在のリコー)製Pentax SPで御座います。なんでも所謂名機と呼ばれる機種であるそうで、良い物が安く手に入って幸運でした。
実際の処、「カメラ」として、写真を撮る機械として見れば、昨今のデジタルカメラよりも重く、ゴツく、使い辛く、そもそもフィルムを入れ、撮り、巻き撮るという遥に多い工数を必要としながらも、フィルム一本あたり24ないしは36枚しか取れないという点で正しく面倒を金で買っているような物であります。しかし、フィルムを巻き上げ、構図を決め、そう明るくもないファインダーを覗き、いささか適当にすぎるきらいも有るような露出計のピクピクと動く針を頼りに、ダイヤルにある刻印の範囲でしかセットできないシャッタースピードと、レンズに書かれたダイヤルに従い絞りを定め、そこで初めてシャッターを落とせる。それでいて現像が終わるまで、果してその写真が正しく撮れているのかもわからない。正しく面倒、正しく手間。正しく労苦にして正しく時間の無駄。しかし、なんとも、この手間があるが故に、このプロセスを経て最後にシャッターを落とした時に、現像をお店に頼んで出来上がりを待つ時に、なんとも言えない楽しさを感じるのであります。
ヲタクの悲しい性は所謂ハマった物に対しては財布の紐がガバガバになるという点であります。知らないうちにモリモリとカメラが増えて参りまして、近いうちにまた何かそんな話をするかとは思いますが、平にご容赦下さいませ。
ポチポチ写真を上げていたりもします。大した物は一つも御座いませんがご覧頂ければ幸いです。
じゃあ、今日はここまで。