Deardorffがやってきた

大判カメラに手を出してよりこのかた割とビューカメラをメインに使ってきていたんですが、 (Glennviewだって一応ビューカメラだし)、Sinar Normaを5×7で運用しはじめてしまったが故に5×7が使えるフィールドカメラが欲しくなりまして。とはいえ5×7のフィールドカメラなんて種類ないよナーとか思っていたらうっかり出会す銀座の物の怪。値段を聞けば手が出ぬでももなし、ええいままよと一呼吸、ポンと取り出すクレジット、チャリンと鳴ればお買い上げ。

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泣く子も黙るこの印字、そう、ひょんな事からDeardorffが我が家にやって来てしまいました。市場の半値以下で。ヤベェ。

ところが安い物には理由があって、ナットが二つ程ない。蛇腹はディアドルフ折りの新品になってる臭いのですが、いかんせんナットが二つない。

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足りないナット1
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足りないナット2

使えなくはない、使えなくはないんだけれど微妙に不便という絶妙な部分のナットが欠落しておりまして。例えばナット1はレンズを支えている前スタンダードの固定ネジ。逆側があれば維持はできるんだけれど、やはりちょっと強度が下がる。ナット2はリアスタンダードを前後する時のツマミ部分で、こちらも片側だけで動かすとちょっと指が痛い。どうする?どうする?

答え

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ボルト部の太さからインチネジの規格を割り出してナットを入手した上に3Dプリンタでノブを作る
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ボルト部の太さからインチネジの規格を割り出してナットを入手した上に3Dプリンタでノブを作る

こんな形に。参考までに記載しておくなら、リアのボルトがインチネジの#8, フロントのネジが#10です。

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in Action

Deardorff, 実際高級機でプロの人もよく使ってるみたいでスゲェスゲェとか思ってたんですが、実際に触ってわかるのは本当に精密だし可動域がデカい(5×7だからってのもあるとは思いますが)。作りの剛性感もキッチリあるので、何というかこれがプロの道具だ、ってのもわかる気がします。猶コイツにくっついている57のバックはどうも純正じゃないようだぞ、と都内のカメラ店の方に教えて頂きました。なあに、キチンと撮れているならいいのだ。

ちなみに、浅草橋からちょっと言った所にDeardorffの専門店のスパロウ・フォトさんというお店が御座いまして。何度か伺った事があるわけですが、先日伺った際にこのノブのお話をマダムに申し上げたところ、「あら、ウチに来てくれればノブなんて沢山あるのに!」と箱一杯のノブを見せて頂きまして。ああ、なるほど、そりゃあ専門店だからあるよなあ、なんて思っておりましたら、マダム続けて曰く「でも手を動かしてそういうのを直して行くのが楽しいのよね。実際に手を動かす人は良い写真家になるわよ」と御言葉頂きました。手前は写真家にはなれませんが、深く心に留めておくべき言葉だなと思いました。

さてさてそんなわけでやってきたDeardorff、折角なので57を使い倒してみようと思います。折角ジナーボードに完全統一、とか思ってたらコイツだけリンホフでやんの。えぇい上手く行かないこと!

じゃあ、今日はここまで。