先日ICMの1/144 Tu-144、所謂コンコルドスキーのキットを購入致しまして。流石ICMと言うべき実に繊細なモールドと軽い梨地に成形されたプラをねっとりと楽しんでいたわけですが、しかしこのTu-144、どうにもスジ彫りが浅めな所が点在しているという事に気がつきまして。すわスジを一段深くせねばなるまいか、と思い立った物の、元々航空機を余り作らない手前の手元にはハセガワの細彫り用ラインエングレーバーしかなく、又最近各所で話題となっていた事から興味もあった為に、遂にスジボリ堂の0.2mm BMCタガネ購入と相成ったわけで御座います。
Tu-144のシンボルとも言える緩やかな曲面を描く主翼。ここが特にスジボリが薄く、彫り直す事を決意させた最大の原因。こちらの右翼は前々から持っていたハセガワのラインエングレーバーで軽く掘った物。スジが波打ってるのは手前の技術の不足なのでICMのキットのせいでは無い事にご注意。全体的に深さが安定しない印象を持った。あとは所謂ケガキ針系のスジ彫りツール全般に共通する欠点とは言え、ケガいた部分の両端のエッヂが盛り上がってしまう為、ケガいた後一回表面をヤスリで向いてやらなくてはいけないのはやはり閉口。使い辛いとは言わないけれど時間辺りの作業進行度合いは決して多くはないよね。
こちらは買ってきたBMCタガネでコリコリとやった物。例によってヨレたり変な傷がついてるのは手前の力不足による物なので御勘弁。スジの幅が安定していて深さも一定なのが目に見えるかと。スジがVの時になってないんだよね。BMCタガネの構造的に。ちゃんと凹になってる。勿論この写真だけ見ると、若干の所謂運河彫り臭くなっているかのように見えるかもしれないけれど、これは自分が買ったのが0.2mmである事が問題であって、それ以下の細さを買えば問題ないかと。切れ味が驚く程良いから削るのに余り力が必要ないのも好印象。ただしそれは関係無い面にザックリ傷をつける可能性とトレードである事は忘れてはいけないけれども。
総評としては「スジ彫りが苦でなくなる」程度には素晴しい工具だという印象。素晴しい切れ味はプラをガリガリやる上でとても楽で良い。勿論曲面曲線は両方とも非常に苦手だし、良すぎる切れ味は若干迷惑に感じる事も有り。それでも若干手を出し辛い(と勝手に思っている)物であるスジ彫りのストレスが大いに減るのは頼もしい限り。値段で躊躇していた人は手を出してみても損はしないと思うな。
じゃあ、今日はここまで。
【スジボリ堂 T-020N BMCタガネ 幅0.2mm】スジボリ堂 T-020N BMCタガネ 幅0.2mm(V2260) |