近況報告

さて先日、毎年恒例となっております静岡ホビーショーがございまして、例年の如く参加して参りました。唯一つ例年の如く有らざるは毎年二日続けての参加であるところを、諸事情あって一日のみの参加とした、というところであります。年に一度しか会えない趣味を同じくする方々と、あれやこれについて話をするというのは何よりも楽しく、また充実した時間でありました。来年こそは、また二日続けての参加としたいところであります。

ところで、前述の諸事情でありますが、手前は只今中国は東莞市におります。会社の研修でございまして、人生初の中国上陸と相成りました。出発がホビーショー開けの月曜日という事で、流石に2日間の参加は取りやめた次第でございます。東莞は何やら全中国で二番目に治安の悪いところであるそうで、中々世紀末ネスの漂う街並みを眺めているうちに早6日が経ちました。

手前の友人たる上海に留学していた才女曰く「東莞には何もない」そうですが、中々どうして近代的な街並みが広がっておりまして。マクドナルドやKFCと言った西側の外食産業も無くはございません。しかし所詮は中国の一地方都市である以上、上海、北京、香港と言った名を知られた街とは比べ物にならないほど中国的な街であります。

人生初中国という事で、備忘録を兼ねて目についた事をつらつら書くとすれば、まず第一に触れねばならないのはその独特の街の雰囲気、究極的にはその汚さでありましょうか。

街並みは立派、唯々立派と言うしかないような物なのであります。大きなデパートや近代的な病院、或いは真新しいショッピングセンタが立ち並び、外車も相当走っております。しかし、しかしその近代的な病院やデパートの外装、或いは道路の舗装と言った物が実に今一なのでございます。

例えば路線バスが危うく転覆しかけるような凹凸を持った道路の舗装であるとか、或いは模型におけるウェザリングの資料に成り兼ねないほど痛んだ外壁の街並みであるとか。箱こそ作れどそれへの保守点検という概念が更々欠けているように見えてしようがございません。この辺に、私は中国の歪さといった物を感じざるを得ないのであります。

飯は別段酷い物ではありません。海に近いこともあり魚介類も実に旨く、また衛生面でもマトモなところはマトモ、という世界の真理をただ適用するだけであります。中華料理的肉ラッシュと油にさえ耐えられるのであれば、何ら酷い物ではないのです。

街に並ぶカルフールやウォルマートと言った巨大なスーパーマーケットに一歩入れば、そこに広がるのは北米で見た物と変わらないような光景でありまして、資生堂やニベアの化粧品などの、日本でも当たり前にある品物が陳列棚を飾っております。

しかし、一歩路地を曲がれば、そこに広がる光景はジャッキーチェンの映画に出てくるような荒れた小路でありまして、窓という窓には鉄格子、道にはなんだか良くわからないゴミが散乱し、どことなく腐臭が漂い、程よくくたびれた外観の建物と相まって、所謂世紀末感マシマシであり、うっかり市場にでも足を踏み入れよう物ならば衛生という概念など存在しないかのような光景が眼を覆うがごとき自体であり、Welcome to this crazy time,このイカれた時代へようこそ、となるのであります。

しかし、手前は(現在僅か6日めではありますが)この中国という国の雰囲気は嫌いでは有りません。街に活力が漲っているかのような雰囲気が常にあります。何よりも、長らく西洋側に傾いた勉強などを行っていた手前には大層新しい世界なのであります。もう後4日のみの滞在ではありますが、中々楽しい物となりそうです。

じゃあ、今日はここまで。