Leicaを作っていたErnst Leitz社、もっぱら35mmとか50mm、良くて90mmあたりまでが注目されてばかりのような気がしているのですが、実際のところ初期から135mmの望遠レンズをラインナップしております。で、この135mmレンズ群どうにもレンジファインダーで使い辛い事もあり、市場だとLeica用のレンズとしてはべらぼうに安い値段で取り引きされているわけで。状態が良くても1.5万円もあれば買えてしまうモデルもあるぐらいでございます。
で、その135mmレンズ群の中でも最初期の部類に属するHektor 135mm F4.5,数がある事もありとにかく安いレンズなわけで。ところがこのレンズには噂というか、まあネットを探せば実例は出てくるのですが、大判(シノゴ)をカバーするとかしないとか。前々から試してみたいなと思っていたところ、ひょんな事から安くこのHektor 135/4.5を手に入れる事が出来たのでちょっくら試してみ事に。
ところで当然HektorはLeica用のレンズであって、一般的な大判カメラ用レンズのようにシャッターユニットにネジ込めるわけではない代物。しかもLeicaスクリュー(L39/LTM)はフランジバックが短かいマウントの筆頭みたいな物。そんな物をどうやって大判に使うのか。勿論レンズボードを3Dプリンタで出してしまえばなんでもできるんですが。
解答としてはコレ。万能座金、或るいはUniversal Irisと呼ばれる装置でクランブしてしまう。HektorだけでなくLeitzの135mmレンズはレンズ部と連動機構を延長している筒という構造になっているので、Visoflex用に頭のレンズ部がモロっと外れます。なので、外したレンズヘッドを座金でクランプしてやればあっというまに大判レンズに。当然シャッターには捩じ込まれていないので、最も古典的なシャッターメカニズムであるキャップシャッター(蓋をカポカポする)になるわけですけれども。面倒は面倒とはいえ、近代的なコーティングのかけられた135mmレンズで開放Fが4.5となると期待が膨らみます。
お稲荷様。カメラはジナーボード対応のカメラとしては破格の軽量さのGlennview-Sinar Halfbreedを。軽いライズをかけているけれど、接写で特に問題になる感じもなし。
お稲荷様全景。こちらもややライズでF22。周辺が流れているような気もするけれど、風が吹いていた日なのでそのせいかなとも思う。
全体的にICが切れそうな雰囲気は少なくとも普通に街を撮ってる限りはなさそうでした。F4.5の開放はピント合わせも比較的楽。凄くピンが鋭いというタイプのレンズではないけれど、明るいぶんだけ特に苦労はしない印象。
キャップシャッターで短時間の露光は誤差が大きすぎるので、絞るなり何なりで露光10秒ぐらいの出目を狙うと良いと思います。T-MAX100は相反則不軌が割に酷いフィルムなので、出目10秒だと実露光が15秒になって丁度いいかなと。それにつけてもLetizのキャップの作りの良さに随分感動しました。
そんなわけでシノゴ物もHektor 135mm F4.5、購入してみると良いんじゃないかしら。安いし。
じゃあ、今日はここまで。