ドイツ民主共和国国境警備隊兵用制帽

去年の11月頃にebayで購入したっきりすっかりblogにエントリを書くのを忘れていた物を今更ポスト。僅か20ドル前後と破格で状態はほぼ完璧。恐らくデッドストックなんだろうなぁ。東ドイツ国境警備隊装備一式コンプリートまであとズボン、シャツ/ネクタイ、そして階級章と3点か。揃うと良いなぁ。

斜め前から。鉢巻の緑は国境警備隊の兵科色で、基本的に全ての装備品に入れられている。この点ライン色で兵科を表していた国防軍より識別しやすくした、と解釈して良いのかな。ただ、例えば歩兵科と砲兵科なんかではやはりライン取りで兵科を表している所から察するに、陸・海・空の3軍+独立軍としての国境警備隊だから独自の帽子なのかしら。何はともかくグレーと鮮やかな緑のコンビネーションは非常に鮮やかで綺麗。帽章も曇りは無く、白く感じられる程度には綺麗なシルバー。触った感じ本物の金属。ちなみにチンストラップは飾りで動かない。材質はビニールなので無理に引っ張ると伸びそう。経験劣化してるっぽいしね。

コカルデ、と正面のアップ。帽章の状態の良さが見て取れると思う。

唾の素材はどうやらプラスチックっぽい為比較的脆そう。東側の石油化学系素材の信用度なんかお世辞にも高くないだろうしなあ。大きなキズは無い物の、プラスチックにありがちな細かいキズは割と見てとれる。

上部のお皿の生地の部分がダボついているのは、この写真が庇を上に向けた状態で撮っているからだけではなく、どうも劣化で形が若干崩れている為らしい。

側面の写真。面白いのは全体のフォルムがいわゆるドイツ的な「鞍型」になっていない点。具体的には庇の角度が緩い為前への張り出しが大きい事、そして鉢巻の上のお皿が大きく前に張り出している事、そしてそのお皿の上面がほぼ平面になっている事。この3点はロシア/ソヴィエト系列の制帽に大く見られる特徴なので(アランゲルのKGBとかミニアートの行軍するソヴィエト兵とかを参照の事)、そこからの影響だと考えると東ドイツという国がおかれていた政治的状況と、そこに存在したソヴィエト軍の影響と無縁ではない軍事組織の姿が透けて見えるようで非常に面白い。とはいえ、これが一般の兵用の為そんな無駄な加工をしていられない、というだけの可能性も大有り。

裏面。汗止め(?)の部分は恐らく合皮あるいはビニール?。ただ経年劣化が酷いようでご覧の通りブヨブヨ。

サイズはデッカく書かれている通りに59センチ。被ってみた所58でも良かったかな、と感じる。

形を整えていた芯はボール紙でした。

全体的にはソビエト風の帽子。それにドイツ式の帽章がくっついてる面白さが東ドイツの軍装の面白さじゃないかと思うわけでございます。東ドイツの一般制服のフィギュアってそう言われると無いよなぁ。適当な野戦服のフィギュアを弄ってみようかしら。つっても帽子ぐらいしか顕著な違いないような。

じゃあ、今日はここまで。