万年筆を新調[非模型話]

2年程前に購入して以来常用筆記具として常に携行し、結果として太平洋を5度越えたペリカンのスタイル万年筆のクリップ部に遂に亀裂が入り、過酷に使いすぎたせいかインク漏れも目立ち始めたのでいっそ万年筆自体を新調する事に。スタイル万年筆は2500円前後という低価格万年筆に分類されるペンながら、軽やかな書き心地にはとてもお世話になりました。

新調するにあたって、課した条件は4つ。

  1. 値段が200カナダドル(1万7000円)前後である事
  2. クリップがついていてカートリッジ式ではない事
  3. ドイツのメーカーの製品である事
  4. ペン先が金で出来ている事

1は一応学生という身分で親の脛を齧り留学させて頂いている以上、当然生活費として送って頂いているお金を節約してこの手の物を買うわけで。となると300ドル以上が当たり前の、いわゆるスタンダードなクラスの万年筆には手が出ない。厳密にはその額を貯めるのに時間がかかってしまい、現実的ではない。200+20ドルぐらいまでなら…なんとか。

2は普段から実用品として使う以上必須。ポケットにサクっと差している事が多いので。授業の合間のクラス移動みたいな軽い移動の時に、ポケットに差せないのはちょっと不安。カートリッジも妙にお金がかかるので出来ればインクボトルで補充できる物が良かった。

3は無意味かつ個人的な信仰に基いて。最初に使って万年筆に引き込まれた因縁の万年筆が独ペリカン社のペリカーノJr、次に使ったのが同社のスタイル、手元にある蛍光ペンだとかマーカーだとかボールペンだとかの筆記具も独ステッドラー社の物。となれば新しい万年筆もドイツ物で揃えたい、という考え。

4は本当に興味。今までの二本のペン先が、いわゆる鉄ペンだったので、折角今までより良い万年筆を買うならば噂に聞く金ペン先を使ってみたかった。

で、結局購入したのが独ラミー社のLamy 2000。詳しくはググると素敵なレビューを書いている人達が沢山いるので詳細はそちらで見て下さい。

IMG_2222-1ペン先は普段漢字と英語を一つのノートに取る事が多いので、細字であるFをチョイス。  同時に購入したインクは仏エルバン社のVIOLETTE PENSEEという菫色で、非常に鮮やかで色気があるという噂を聞いていた。何でも約160年ばかりフランスの小学校においての指定色だったインクだそうで、その逸話と菫色というのも面白いかな、と思って選んでみた。結果としては本当に満足。金ペン先ながらシルバー加工されている上に、3分の2近くが本体カバーに隠れていて「万年筆」というフォルムから離れているのもナイス。若干先が固いような印象を受けるけども、払いとか止めだとかを書いた時に手に戻る感触は柔らかいので使い込むと柔らかくなりそう。お値段210ドルだったかな。インク込みで230ドルチョイと若干予算がオーバーしてしまったので、多分一週間ぐらい昼御飯が貧しくなりそう。

ペリカンとの書き比べ。ペン先は両方ともFながら、Lammy 2000の方が細くてシャープなIMG_2229感じ。インクのせいなのか払い止めにかかるグラデーションが滑らかになったのはちょっと以外だった。菫色という色も予想より遥かに鮮やかで、やはり色気があるという評判は本当だったな、とちょっと良い気分。これからしばらく使い込んで行こう、本当にそう思えるペンでした。

じゃあ、今日はここまで。

PS: 1月の投稿ポスト数がなんと15。二日に一回ペースで投稿してたと言うのか!幾ら年始は日本にいたとはいえ、最後に15ポスト以上/月したのがブログ開設当時の2005年8月以来という状況ではかなり異常。現実逃避なのかしら。