大学卒業と2012静岡ホビーショーについての雑感

さて去る山岳部標準時6月13日の15時ごろ、正式に大学を卒業いたしました。思えばあっちゅうまの4年間でありまして、死ぬほどカフェインに頼り切った生活をしていたような気が致します。現在は絶賛就職活動中の身ではありますが、余り楽天的な将来は描けず。ま、とりあえず社会的なステータスとしては正当な意味でのニート(Not in Education, Employment or Training)と相成りました。




先日というには余りに前過ぎるきらいがありますが、静岡ホビーショーに参加してまいりました。初参加が昨年であった為、二回目の参加であります。昨年に引き続き毎度思うのは、所謂モデラーという人種の、ある種の業の深さと言いますか。

勿論合同展示会には数々の力作が並び、それは正に圧巻ではありますが、その労力が何か別のベクトルに振り分けられたなら世界では今頃車が空を飛んでいるのではないか、などと考える瞬間がふとあります。しかし、この種の労力は、恐らく簡易インジェクションや難物相手にしか発動しない労力ではないのかな、なんて事もわが身を振り返って思うのです。

さて、今年の静岡ホビーショーは、何となく異国の方々と女性が目立った会でありました。異国の方々については、昨年度の地震と災害のイメージが薄らいだ為ではないのかな、と思うのですが、女性、特に女の子を多く見かけたのは、タミヤが昨今アクティヴに展開しているスイーツデコが、女性に対してこの種の「模型」という物に大きく門戸を開いた為なのかな、なんて事を考えました。

実際、我らがBlog Modelersの隣で合同のブースを出展なさるYDCCさんのブースに足を止めてらしたあるお父さんが、「スイーツデコの道具を娘に買わされた」と半ば苦笑い、半ば嬉しそうに語ってらした事を覚えております。

正直言って、所謂この模型趣味という世界は、大変に男性主体な世界であります。だからこそオオゴシトモエというモデラーがキャラクターとして成立し、又幾つかのミニチュア塗装ガイドではパッケージにペインターである女性自身の写真が起用されるわけです。つまり模型を作る女性であるという一点で、既にそれがウリになり得るという事実は、この趣味の男性-nessを表していると言えるでしょう。

その意味でスイーツデコは革命的なのではないかと思うのです。又、それが女の子にアピールする事に成功したという点に、何か模型の将来に対する明るい光を見たように思うのです。即ち、実用性を持って良しとする風潮のある模型世界(それは道具のデザインにも見えます)が、寧ろ見た目の華やかさに惹かれる女性・女の子にアピールする道を得たという点。これこそが模型が生き残る為の、一つの方策なのではないか。又、精確さ、精密さを第一とするスケールモデルを主体とするタミヤというメーカーが、よりファジーなアプローチを許容するスイーツデコというシリーズに対してマテリアルを展開し始めた事は、今までに欠けていた、或いは意図的にターゲットから除外されてきた女性を、模型という世界へといざなう、新たな出発点になり得るのではないかと思うのです。

そんなわけで少し模型の征途が少し明るくなったような気がした静岡HSでありました。写真等はまたいずれ上げます。