ワンフェス2012夏レポート 2

さて、外に出れば熱風吹き荒び陽光肌を射るが如き日々が続く東京で、部屋にこもって文明の利器たるエアコンを頼りに模型と向かうような日々が続いております。行きたかった企業には全て落ち、就活を続けねばならないにも関わらず全くモチベーションも通るような気もしない。そんな状況で黙々と机に向かっていると、頭の中をあまり宜しからぬ考えがグルグルと渦巻き、就活の状況の悪さとその他諸々自分を取り巻く悪循環が自分を殺さんとしているかのような幻想を見て、自分が病んでいるのではないかな、なんて気分になってくるわけでございます。すると何やら模型すら手前を絞めようとしているのではないかという感覚がムクムクと湧き上がってきて、己ののっぴきならない状況に背筋が寒くなります。祖父が死んでから物事が全く上手く行かなくなりました。やりたい事は一つも出来ず、欲しい物は全く買えず。相談する相手もなし、家族も今一信用できず。友人逹の近況を見れば夢に向かって走っていたり、或いは夏休みの到来に胸を踊らせていたり。手前には何も御座いません。頼れる物は己だけ、と言えれば格好良いのですが、その己が現状最も信用できない為五里霧中、四面楚歌、そんな言葉が相応しい、そんな気分で8月を向かえました。

閑話休題。前回に引き続き幾つかワンフェスの中で気になった物をご紹介。今回あんまり写真を撮らなかったので、多分今回がラストとなります。

image098Beer Belly」さん製作、Punch!!。恐らく今回のワンフェスの会場において、最もアメリカンであったであろう作品。何がアメリカンってこの体の捻り方が真にアメリカンで、こいつを見た瞬間手前は笑い出しそうになりました。ご覧あれこの力強く引かれた左手、殴るという動作とは対照的に柔らかく曲げられた左足。それとは対照的に今正にヴィランを殴り飛ばしたであろう右手はスラリと、真っ直ぐに伸ばされ、殴り飛ばしてやった感を強調。更に右斜め上を向きながら、瞳だけはずっと殴り飛ばした相手を見つめているという、この一種奇妙なポーズこそ、正に、古き良き時代から連綿と続く、アメリカンコミックの中のお約束、「パンチ」なのであります。それを支えるハイレグのコスチューム、細身のヒロインが多い日本の正反対にある肉付きの良い体、コスチュームから緩やかにウェーブのかかった、どこまでも鮮やかな金髪。これぞ、これぞアメリカンだと、世界の警察だと、自由と平等の国の、正義を込めたパンチだと、手前は声高に主張したいのです。もうちょっと手持ちがあれば間違いなく購入していたでしょう。

image228こちらは会場でも実際濃厚なニンジャ的アトモスフィアを漂わせていた「時計草の館/YOMAX360/武匠」=サン製作、ニンジャスレイヤー=サン。マッポーめいたワンフェスの中でも一際マッポーめいたフィギュアながら、その奥ゆかしい造形のワザマエはほとんどブッダ。タツジン!このポーズを見よ。チョップである。ノーカラテ・ノーニンジャの哲学を実際体現しているが如きチョップ。気付けば購入しておりました。キャバァーン!(何言ってるんだからわからない場合はニンジャスレイヤー @ wiki参照)

image186SFに登場するメカとしては有名な、余りに有名な、ハインラインの傑作戦争SF「宇宙の戦士」より、1/35機動歩兵。日本版の挿絵にのみ登場しながら、その完成されつくしたデザインはwaveからもキットが出ておりました。その機動歩兵が1/35で!人気だったらしく自分が卓の前を通った時には既に売り切れておりました。キット事態はフィギュアだけだったようですが、この最も有名なイラストを元にして作られたジオラマが本当に素敵で。割と旧いデザインながら、今見ても完成されているなぁ、と思うのです。背中が痒い時に大変らしいですが。「MUSUKE’S PICKUP(工作部屋)」さん製作。

そんなわけで二回に分けてワンフェス2012夏の中で気になった作品を御紹介させて頂きました。今回のワンフェスについて感じたのは、全体的なレベルの向上の著しさ。カラーレジンキットとかバンバン出てる。数年前より遥かに増えておりました。あとは立体出力のフィギュアの増加、或いはデジタル造形の増加。これも目につきました。個人的には立体出力だとかデジタル造形は大いにウェルカムというのがスタンスでして、そういった新しい手法や素材で作られた物が増えるのは大いに歓迎で御座います。ただ、若干オリジナルとかの勢いが無くなったかなぁ、という印象。いや、数は大いにあるんだけれど、何となく売れ線は無難な、或いは綺麗な造形の版権物になっているというか。折角ワンフェス行ってるんだし、版権orオリジナルを問わず、エッヂの立った、造形師の方々が勢いと独自解釈前回で突っ走った作品をもっと見たいなぁ、なんて思うのです。ま、何と言おうが非造形サイドの戯言ではあるんですが。

例によって例の如く、お前のゴタクなんかいらねぇんだ写真を見せろ写真を見せろ!なんていけずなあなた、手前もブログ読んでる側だったら同じ印象を持つかと思います。というわけでその他の写真は例によって例の如くFlickrに御座いますご覧下さいませ。

じゃあ、今日はここまで