[書評]大日本絵画 -オスプレイ・ミリタリー・シリーズ パンター中戦車1942-1945

この冬日本にいられる期間もほぼ半分すぎ微妙に嫌な気分に。2週間の帰国ってのはちょいと短かすぎるなぁ。特に模型を作りたいと思ったら。

さて今回は洋書ではなく和書を紹介。それも王道ともいうべき大日本絵画刊行の日本語版オスプレイより。

全部で8章からなる構成で、開発史、パンターのそれぞれサブタイプ(F型とII型も含む)、評価、そしてカラーイラストで計48ページの薄い本。

内容はもう流石のオスプレイと言う他無し。過不足なく簡潔に解説をまとめてあるのはお見事。どうやシュピールベルガーの「パンター戦車」とPanzer Tractsのパンターシリーズをベースにしているらしく、両者の見解の違い、例えばパンターII計画の要旨なんかは両意見を説明している。ある意味では美味しい所どりみたいな。

全ページに平均1枚の実車写真が載せられているのも嬉しい所。もちろん1ページ丸々使ったような大解像度の写真は無いけれども、重要な点をキッチリ切り抜いて見せてくれるのは有り難い。

カラーイラストは全部で7枚、うち1枚はG型の透視図、もう1枚がパンターFの想像図なので模型的資料になりそうなのは全部で5枚。うち3枚は三面図。ダークイエロー一色のD初期型(三面図)3色迷彩を施されたD後期型(三面図)冬季迷彩のA初期型いわゆる光と影迷彩のA後期型(三面図)、そして線分割迷彩のアゴ付き防盾G後期型。どれも側面図が片側だけなのは残念。想像でも良いから両面欲しかった。

面白いのはカラーイラストの解説が巻末に載っている所。この手の情報があるとジオラマを作る人達には良いんじゃないかしら。

薄い本の為シュピールベルガー本やPanzer Tractsのような情報量を期待して買う本ではない。が、「パンターという戦車」についての基本的な解説や各サブタイプの違いについてはちゃんと要所を抑えて解説が載っているので、最初の一冊やいきなりシュピールベルガーだとかの高い資料はちょっと、と思うなら持っておいて良いと思う。製作中にふと手に取り易い厚さと値段だしね。

★★★★☆(4)

じゃあ、今日はここまで。