最近髪が伸びて参りまして、散髪に行かねば行かねばならないなと思いつつも、微妙に治安の宜しくないチャイナタウンの床屋に行くのも気が退ける。しからば散髪二回分で元の取れるバリカンをば自分で購入し、バリバリと己で刈ってしまうのが最も宜しかろうと思い、買ってきましたフィリップス社のバリカン。 想像以上に簡単に髪の毛がハラリハラリと落ちて行き、ザクザクやってたら何やら楽しくなり、結局坊主と相成りました。カナダの冬にはチト寒う御座います。
さて、今回はドラゴンの6656、”Advance to Kharkov”をご紹介。昨今のドラゴンのフィギュアらしく、とにかくクオリティの高い事高い事。ただ一つ文句をつけるとすれば、ウクライナ語を勉強している手前としては、Kharkov(ハリカフ)ではなく是非にもKharkiv(ハルキウ)と表記して頂きたいと思わざるをえない事であります。この手のウクライナ語←→ロシア語呼称問題は割と面倒な所もあるんだけどさ。
箱絵。4体入り。クオリティの高いイラストにはZgonnikとサインがされていて、これはDmytro Zgonnik氏の手による物の模様。 ブログがキリル文字で書かれている所を見るに、ロシアの画家さんなのかしら。箱絵からわかる通り、空軍野戦師団と思しき兵士が一人入っているのはかなり貴重。ちなみに絵を良く見ると、手に持ったフリッツヘルムには破片か弾丸によると思しき穴が開いていて、それを指さしているというポーズで御座います。
頭4つ。最近のドラゴンらしい、非常に繊細なモールド。上段向かって左はこの原型師の人の作る典型的な顔かと。ヘッドの表情を決める上で非常に大きな割合を占める放齢線の入り方も嘘臭さは無くて、特に上段向かって右のヘッドは本当に自然な入り方。鼻の形も非常に好み。全フィギュア口の造形もヌルくなっておらず、実に良い感じ。ただ、上段左右のヘッドに見られる、ギャリソンキャップを被せる為のヘッドにドラゴンがやる分割は苦手。どうしてもタミヤみたいにパシっと合わないのよね。この分割の頭って。
足。ゾクゾクするようなキレッキレのモールドは実にお見事。ポケットのエッヂが全くヌルくなっていない点も実に良い。皺のリズムも色っぽい。ブーツはドラゴン系の伝統として、若干細いような気もするけれど、それも感じ感じ。空軍所属の彼は制服の作りが違い、ドイツ軍の特徴であるプリーツ付きのポケットでは無く、外からはフラップのみが見える、内側縫い付けポケットで御座います。
上半身。実に良い。塗ったらクっと立ち上がってくるだろうと思える深くてクッキリとしたモールド。インジェクションでは潰れがちな、右胸の国家鷲章も綺麗な彫刻。襟と肩の階級章もしっかりモールドが入っていて文句無し。タミヤのデカール乗っければ実に良い塩梅になる筈。上段向かって左、空軍の彼のサスペンダーのモールドが若干ヌルいのが少しだけ残念。とはいえ問題になる所は何もなし。
腕。4本だけ。何となく皺の雰囲気が平野氏っぽくなって来ているような。勿論根拠なんて物はサラサラ無い意見ではありますが。袖口のシェブロンのモールドもクッキリ鮮やか。お見事。露出している手の作りも非常に良い。指がちゃんと指として独立しているし、マスターボックスの物のように細すぎるという事も無い。若干手首から先にバリが集中していると思しき雰囲気はある物の、これは作る時にナイフで削ってやれば良いだけの事なので何も問題無し。
装備品はGen2ギアが付属。これについては過去のエントリを見て頂きたし。そういえばこのGen2ギアに付属のKar98k、ふと疑問が湧き、水道橋の模型店NUTZの店長のご好意で判明したんだけど、古い"Gen2"(非Gen2ギア)のキットに付属していた機関部が分割されているバージョンでは開口されていた銃口が開いてないんだよね。MG42とMG34の銃口は開口されている物の、バリが出ていてちょっとしょっぱい感じ。腰に下げてるブレッドバッグも、縫い目のモールドが酷くヌルくなってきているので、Gen2ギアと銘打ってはいる物の、厳密な意味でのGen2クオリティに達しているかというとクエッションマーク一つ。本当に質の良い物が欲しければ、旧Gen2か或いはプレミアムエディションに付属の物を持ってくるのが良いんじゃないかと思っております。
最近のドラゴンのドラゴンのパターンを見事に踏襲しているような、素敵なフィギュアセットで御座います。癖の強いポーズは一つも入っていないので、良くも悪くもどうとでも使えるでしょう。空軍所属の彼は非常に素直な立ちポーズながら、箱絵通りに組めば一体でストーリーを語るフィギュアになるんでかなり素敵。割とオヌヌメ。
じゃあ、今日はここまで。