[キットレビュー]ZVEZDA “3628 German Paratroopers 1939-1942”

家も来まりそれなりに新生活を構築しはじめている今日この頃、皆様如何お過しでしょうか。カナダは寒い所の筈なのに気温が30度前後をウロウロしていて大変嫌な気分を味わっております。夕方は流石に20度前後まで下がるから過し易くはなるのだけれどね。目覚し忘れて大変な自体になったりとアクシデントには事欠きません。

それはそうと、twitterで話題になっていたザ・インタビューズ初めました。大抵の質問には答えるので宜しければどうぞ。

さて今回は先日Armoramaでアナウンスを見て気になっていた所、ショッピングモール内のおもちゃ屋で売っているのを見かけたので購入してきた、ズヴェズダの新作”German Paratroopers 1939-1942″をご紹介。何が意欲的ってこのキット、何と「パラシュート」がついてくるんですよ奥さん。

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パッケージイラスト。最近のズヴェズダのトレンドに従って、恐らく元絵がある物にデジタルで着色している物だと思う。やはり個人的な好き嫌いで言うのならタミヤの大西画伯であったり、ミニアートやマスターボックスのカラシュク氏の物であったりと言うようなイラスト系が一番好きだけれども、これはこれで味があって良いのかも。実際の所箱の中に入っている商品を示すという目的においてはこちらでも、それも安上りに達成できる、って事なのかな。ま、悪くは無いよ。

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胴体。5体のうちの4体だけ。降下猟兵スモックの足部をクリスピーに再現する為に、足をそこからぶったぎった分割にしてきたのは驚き。ベルトに挟んだ手榴弾も一発で抜いてきたのは、流石最近の一体化を進めるズヴェズダらしいアプローチと言うべきか。ただ、ここに写ってない5体目は、手榴弾が一発で抜かれている為に炸薬部が円柱ではなく、長方形のようになってしまっているのが残念。削り取ってどうこう、ってのも難しいし中々大変だなぁ。

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その分割された足。昨今のズヴェズダらしく実に綺麗に抜けていて、これが「あの」ズヴェズダであると誰が思うだろう。降下ブーツはサイドに合わせのある初期型。靴紐の抜けの綺麗な事と来たら、多分レジンの方が温い物を多く見る気がする。降下猟兵独特のニーパッドの縛帯のリングまで抜けているのは全く恐しい。ブーツの曲がった爪先も、固い軍用ブーツらしい曲がり方をしていて素敵。ただ、抜き方としてはクラシックな金型の合わせなので、昨今のGen1がやっているような方法においてのみ再現できる靴底の鋲は無し。

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武器はいわゆるズヴェズダスタンダードな抜き。精緻なディティールは他メーカーにもヒケを取らない物の、一体化を進めている代償かKar98kのクリーニングロッドは長さが足りず、MP40の伸長されたストックも間が抜けていないので致し痒し。写真に写っている物は手首と一体で抜かれているけれど、武器だけのパーツと手首だけのパーツもあるので選択は可能。とはいえこの武装でやるんだったら殆ど手首一体のパーツで問題は無いんじゃないかなぁ。

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降下猟兵独自の装備である投下コンテナのパーツ。投下コンテナの内部が再現されてるのって初めてなんじゃないかな。手榴弾ケース、バンドリエ、メスキット、ツェルトバーンとそれらしいディティールも中々。2枚目と三枚目では降下コンテナの蓋部分にくっついてる取っ手に注目。ペッタリとした板でなく、僅かに膨らみを持って、隙間があるような彫刻がされているのが芸コマ。

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ヘッド五つ。額から首まで顔の中心線にパーティションラインを入れるという非常に珍しい抜き方。つまりこれは常道に反して、表情の再現よりも降下猟兵ヘルメットのチンストラップの再現を取った、とも解釈出来るわけで。実に思い切った分割だと思う。その割には、勿論目元のディティールこそ逆テーパーで抜けないとは言え、顔の造形全体としてはったく温くなっていないのは、それこそ最近のズヴェズダだから出来る見事な抜きであるかと。頬骨からコケた頬にかけての造形は最近のズヴェズダに良くみられる物で、中々味があって実に好み。

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メット。形は良いね。実に良い。とはいえズヴェズダのメットは天辺が若干平たすぎるような印象を受ける。あと、デジタルから直接おこしているせいか、独特の「平面を組み合わせたような」曲面の印象を受けるのがちょっとアレな感じ。リベット等のモールドもまったく無い。出来で言うならやっぱりGen2の降下猟兵メット以上は無いなぁ。

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白眉たるパラシュートの分割はこんな感じ。見事、見事と言う他ない。二枚目の写真、ランナーの左上に置かれてるパーツは特に見物で、ピンと張った紐の上に布が乗っている、或いは布が紐によってグイっと持ち上げられている感じが見事に再現されている。しかしパラを抜いてきたのは凄いなぁ。

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ちなみにパラとフィギュアを繋ぐロープはこれで再現せよ、とこんな糸が付属しております。それにしても今時糸とは。カッチリしたキットと古めかしい糸との組み合わせ、ああロシアクオリティ。

総評としてあやはり最近のズベズダスタンダードな、出来の良いフィギュア群。パラがついてくるのも中々面白い。表情をヌルくする代わりにカッチリと抜かれたチンストラップであったり、今のズヴェズダならば再現する事など造作も無いてであろう鋲をオミットする代わりに見事に抜かれた靴紐のモールドであったりと見所も多い。内部再現も為された投下コンテナも良い感じ。降下猟兵が好きなら是非にも揃えたいキット。オススメ。

じゃあ、今日はここまで。