[書評]Osprey Pub. ? Men-at-Arms 420 “The Waffen-SS (4)”

今回はMen-At-Armsシリーズから1冊。武装親衛隊の各師団を取り扱ったシリーズの最後である第4巻。サブタイトルは”24. to 38. Divisions, & Volunteer Legions”で、つまり基本的に末期に編成された第24師団から最後の師団たる第38師団に加えて、師団として認めらなかった義勇SS部隊を取り扱った物。ただし、割かれているページ数的には義勇部隊よりも師団の方にフォーカスが向いている。著者はGordon Williamson、イラストはStephen Andrew氏による物。

Men-At-Armsシリーズらしく、非常に簡潔ながら必要な情報はキチンと盛り込んだ解説は圧巻。師団番号の大きい、基本的には急場凌ぎ臭い師団の数々に対する解説が当然そんなに大量になるわけは無いのでそれぞれ解説は非常に短かいのだけれど、名称の変更履歴、指揮官、師団を構成している部隊、参加した戦線、そして制服に着く特殊な徽章と必要な情報はキッチリカバー。

特にモデラー的には徽章の欄は注目。例えば第25SS武装擲弾兵師団”フンヤディ”は、制服は全く他の部隊と一緒だが、唯一右の襟章がSSのルーン文字ではなくデッカく一文字”H”の物を着用していたらしい。という事は普通のフィギュアの襟章をHにするだけでフンヤディであると言い張れるのは中々面白いのではないかと。

幾つかの師団が着用している袖の国旗章なんかも酷く目立つので、これオモデラー的にはチェックできるのが有り難い所。第27SS義勇擲弾兵師団"ランゲマルク"の黄色い獅子のパッチであったり、第28SS義勇擲弾兵師団"ワロニエン"のベルギー国旗パッチであったり、フィールドグレーベースのドイツ制服の良いアイキャッチになっていて非常に面白い。

最後のSS師団であるニーベルンゲンの情報が欲しかったので買ったのだけれども、まぁその点ではちょっと残念。

イラストのクオリティは悪くない。独特の徽章の多い義勇擲弾兵師団の服装がカラーで見られるのは嬉しいね。特にイタリア義勇師団なんかは階級章に赤い物があったりとドイツ軍の制服を使いながら見た目が大きく違うのは中々面白い。

実に面白い資料。フィギュア塗装にちょっと一味追加できそうな気がする。個別の師団について知りたければもっと他の資料を漁るべきだとは思うけれど、他のMen-at-Armsシリーズと同じくザックリ情報を得る上では最高だと思う。是非。

★★★★☆(4)

じゃあ、今日はここまで。