Pegaso Models “75-050 Roman Tribune, III c. B.C.”

二年ほど使っていたラップトップのGPUが焼けてしまいダウン。なので色々と不都合が。何が問題って最近弄っているフィギュアの塗装過程の写真がそのマシンの中に入っていること。嗚呼無情。だが、そんな事にはめげずに先日イタリアのペガソモデルズから直接購入したローマ兵が完成したのでザックリと過程を記録。直販だとミニチュアパークで購入するより50%ぐらい安く買えるので、海外から通販で物を買うことに抵抗がなければおススメ。ただ、在庫切れの商品は本当に在庫切れだけども。

Pegaso “ 75-050  Roman Tribune, III c. B.C.” -1このローマ兵、1/35ではなく1/32でもなければ1/20でもない、70mmで1/24という比較的大きなサイズ。最近フィギュア世界で盛り上がってるように思う。雑誌で取り上げられる機会も増えているし、アンドレアやペガソと言った主要メーカーも力を入れ始めているし。

70mmなんてサイズを塗るのは初めてなので、今一勝手がわからない。じゃあやっぱりオーソドックスに行こう、と思い、とりあえず基本色を置き始める。

胸甲は金色系の指定な上に面積が大きいので、やはりキモになるだろう、と睨み、新しい事をやってみる事に。ハンブロールの金属色をガッツリ使ってみる、というのも選択肢の一つではあったのだけれども、何となく頭の中にあったイメージと合わなかったので今回はパスすることに。で、どうしようかと悩んだ結果、MIGのピグメントの金属色を使ったら面白いんじゃないかと天啓が下りて来たので早速やってみる事にした。

具体的には、MIGピグメントのFantasyシリーズF612番”Brass”をハンブロール35番”Gloss Varnish”で溶いて塗りつけるだけ。結果は予想通りで、テッカテカのピッカピカに。厚ぼったくなるかな、とも思ったんだけれども、以外にそんなことはなくて一安心。硬化後腹筋の形に沿って油彩のライトレッドで薄くシェードを入れて、広い面積の金属色が単調になるのを防いだつもり。

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服の各所についている赤い直垂は、ハンブロール60番”Matt Scarlet”を下地に油彩のバーントシェンナを斑に薄く塗り重ねた。60番のいかにもハンブロールらしいきつい赤が殺されて、良い感じに沈んだ赤になっております。

ひざ当てとメット、そして左手についている盾を支える金具はハンブロールを缶生で。54番”Metallic?Brass”を使用。実に良い金属色で満足満足。ハンブロールの面目躍如、とでも言うと格好がつくかしら。色自体はBrass=真鍮とMIGのピグメントと同じ名前がついているのだけれど、こちらの方が赤みがグッと抑えられた、より真鍮臭い色だと思う。何というか、僅かに銀色にシフトした金色というか。

どうしても胸甲の広い金属面が目を引くので、意図的に胸甲部以外の金色を変えたのは我ながら正しい判断だと思う。

頭の羽飾りは黒いアンテナみたいな形の物と選択式。が、やはりローマ兵はこれだろう、と非常に典型的な赤いフサフサを選択。鮮やかな雰囲気にしたかったので、60番をそのまま使用して、軽く白を混ぜた物でハイライトを入れた後、黒でウォッシング。

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顔はザックリとハンブロールで塗装。レシピはいつもの如し。下塗りには面倒なのでアンドレアのフレッシュペイントセットのベースカラーを使い、その上に61番”Matt Flesh”と82番”Matt Orange Lining”、121番”Matt?Pale Stone”を混色したものを基本色として全体を塗る。82番を増やした物を1stシャドウとし、2ndシャドウは33番”Matt Black”と100番”Matt Red Brown”を混色したもので入れる。ハイライトは適当に白とかグレーとか入れて明るく。

70mmと比較的大スケールなので、グラデーションはきつくならない様に心がけてみた。とりあえず大丈夫そう。ちなみにこの後ファレホやらハンブロールでチョコチョコ弄りました。

服が一通り塗り終わったところで、ローマ兵の象徴とも言える短剣グラディウスを接着。左手の盾はまだ接着していないとはいえ、やっとローマ兵らしい雰囲気に。ただ、グラディウスの鞘の資料なんてものは持ってないので大変困る。このままとにかく困る。実はグラディウスの鞘が最後に塗り終わった部分だったりします。

この時点では足と手はファレホのベースカラーを置いただけの状態で、あくまで仮置き。この時点では手足もハンブロールで塗っちまう気分だったような。

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で、ちょっと飛んで盾接着後の写真。本当はこの間の写真もあるんだけれど、最初に言ったようにPCが機動しない上にfgも完成後に写真を全部差し替えてしまったので現状取り出す方法無。見てわかるようにまだグラディウスが塗装されていない。本当に悩んでたんだよ!

盾の裏の紐なんかは、ハンブロール出すのが面倒だったので、黒を下塗りしてファレホの白でペッペッぺ、と。それだけだと黒があまりに目立つので、ファレホの826(145)番”GERMAN CAMO MEDUIUM BROWN”でウォッシュをかけて落ち着かせた。この826は、革の塗装する時にも使うし色を落ち着かせる時も使うしと異常に汎用性が高い色。ただのブラウンなんだけどね。このローマ兵の中だとグラディウスの肩紐と、メット固定用の紐、そしてサンダルと右手のアームバンドの塗装に使用。このファレホの826番をベースに白と黒を混色して陰影をつけ、ブラックでウォッシュを何回かかけると非常に革っぽい色合いになるのよさ。平野義高が自分の作品集の中でアンドレアの90mmドイツ兵の塗装を解説している時に使われていた技法のアレンジなんだけどね。

膝と腕の部分はファレホで適当に。本当に適当、としか言いようが無い塗り方で、どの色使ったのかも記憶が定かでは無い。ただ水彩画っぽい、割と透明感ある仕上がりになったので気に入っている。頭のフサフサもシャドウやらハイライトやら入れ終わって、鮮やかさを殺さずに馴染んでいて満足。良かった良かった。

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で、完成後の写真になってしまうんだけれど盾はこんな感じ。そもそもローマ兵の資料なんて全く持っていない上に、彼らがこのギリシャ的な円盾ホプロンを使っていたのかどうかの知識も無いので模様は適当。だってローマ兵の基本装備ってあの長方形の湾曲した盾スクトゥムでしょうさ。一応設定ではこのローマ兵はトリビューン、護民官なので、装備に違いがあった、という可能性も否定できない。が、やっぱり資料が無いのでなんとも言えず。

ちなみにホプロンは側面金属中央木製の物もあったそうなので、この斬激を受けた跡の部分には木っぽい色の塗装をしてあります。

側面の金属部はやっぱりハンブロールで塗装したような。中央の赤はファレホを適当に混色して適当な赤を作り適当に塗った物。レシピを聞かれても答えられないこの適当さ。

グルグル模様はモールドも無いのでフリーハンド。暗い赤でグルグルを描き、それの縁になる部分に白を混ぜた明るい色で縁を描く。その逆に影になりそうな処には黒を混ぜた暗色をポンポンポン、と置けばボコっと浮き上がって見える、そんな簡単な陰影の使い方で描いております。

Pegaso “ 75-050  Roman Tribune, III c. B.C.” -6で、完成するとこんな感じになりました。全体的に色調も統一できて満足。先日実物を見せた原形氏のシュック氏や、fg上の知り合いのCasehard氏からも好評を頂いて満足満足。

結局グラディウスの鞘はシタデルカラーのシャイニーゴールドとかで塗ったような。完成後に色々ググってみたところ、どうも金色じゃなくて銀色が正しいような事が書いてあるのを見つけたりで凹みました。

ま、とはいえ初70mmの割には上手く行ったんじゃないかと思っております。70mmってサイズは90程情報量を求められないし、1/35や1/32程細かい事やらなくて良い分とても気分良く塗れるサイズじゃないか、という感触を得ました。あとは日本での入手性が値段的な意味で下がってくれれば、とても面白い事になるんじゃないかな、と考えております。

じゃあ、今日はここまで。