大判カメラのレンズ、基本4大メーカーなんて呼ばれ方をするパターンが多いように見受けられ。フジ、シュナイダー、ローデンシュトック、ニコンで4つ。オーソドックスでスタンダードな大判カメラ用のレンズってならこのあたりのメーカーから選んでおけば何一つ困りはしないわけです。が、大判カメラ、板にさえとっつけば、いや最悪何かで遮光性が保てるならなんでも写真が撮れるというのが構造上の大きなメリットなわけでして、歴史が非常に長い事もあり有象無象のレンズメーカーがごまんと、いや寧ろ65535種類いるわけです。
その中でも有名所で言えば、例えばコダック。かつてのアメリカのシンボルであり、ロチェスターの巨人。当然大量の傑作大判レンズを製作しておりました。あるいはカール・ツァイス。泣く子も黙る光学史の担い手、最上最高の象徴。当然その大判レンズ群も最上最高の連中が揃っています。
が、そんなメジャーメジャーに目を向けられないのが、コミックボンボンで産湯をつかいセガを一身に浴びて育った我が定め。何故か割とマイナー寄りのレンズを集めていたりします。とはいえ、カメラのマイナーマイナーって現存が確認されれてるのが数本、とかなので手前の領域はメジャーちょいマイナーとかそういうエリアかと思いますが。
で、何が言いたいかというと、現在交換レンズの雄であるタムロンも昔大判レンズを作っておりまして、そいつらを数年かけて集めているわけです。カラータムロン “Color-Tamron”というんですが。その蒐集があと一本というところまで来たので、とりあえず今の所をまとめておこうかなと思い立ち、ふとエントリを書いています。
カラータムロン、以下の通りの焦点距離があったそうなんですが、大判レンズの常として基本どの焦点距離選んでも構成は一緒、2群6枚(三枚貼り合わせx2)のいわゆるダゴールで開放F値は6.8、前玉を外す事で焦点距離が1.74倍になり、開放F値14のレンズとして使用が可能になります。その為にシャッターの絞り表も二種類が記載されており、ビビッドなオレンジがお洒落。銀色の前レンズユニットの外側には青と赤のリングが刻まれ、なんとなくフォクトレンダーのアポランターを思わせる佇まいがあります。
Color-Tamron 105mm F6.8
カラータムロンシリーズ最広角、というか焦点距離最短というか。シャッターはコパル0、フィルター径37mm。前玉外して180mm F14にも。焦点距離的には2×3フォーマットというか、69判用の標準レンズでしょう。ただF45まで絞り込めばシノゴはカバーしそうなので、前玉外しも含めシノゴでも活躍できそう。私の個体は状態があまり良くなく、バルサムが切れかかっているようですがこれはカラータムロンでは割とアルアルのようです。
Color-Tamron 135mm F6.8
カラータムロンの下から2番目、135mmでシノゴ用の広角レンズとして使いやすいあたり。シャッターはコパル0、フィルター径37mmで上記の105mm F6.8と共通ですが、恐らく鏡胴というかレンズを納めてる筒が同じと思われます。前玉外して235mm F14というスペックは、シノゴでの広角と長めの標準レンズを兼ね備えられる当たり使い勝手はいいでしょう。絞り込むと57カバー、多少ならライズもできた記憶があります。
Color-Tamron 150mm F6.8
2023年7月現在未入手の一本。カラータムロンの下から3番目、150mmという事はシノゴ用の標準レンズのおいしい所です。シャッターはコパル0、前玉外して260mm F14。この辺りになると絞り込んで57カバー、57の広角としても使えるレンジになってきます。
Color-Tamron 180mm F6.8
カラータムロンの焦点距離の丁度真ん中、シノゴ用の標準レンズとしてピッタリ。よりモダンなレンズのような擂鉢状のレンズ形状ではない為、この辺りから重量的にもスペース的にもカラータムロンというかダゴール系のレンズを選ぶ理由が出てきます。シャッターはコパル1、前玉外して315mm F14、フィルター径40.5mm。シノゴの標準レンズとして、ポートレート用のレンズとして、あるいは57の広角と標準を一本で束ねる為として。
長くなってきたのでエントリ分けます。