[書評]Osprey Pub. ? Men-at-Arms 434 “World War II German Police Untis”

課題ラッシュから期末試験への雪崩込みも終了し、とりあえず来週までは平穏な日々が続いております。そう高いグレードを貰える程優秀な学生で無いとはいえ、月産エッセイが3つを越えると辛い辛い。結果としては多分進級できるんじゃないかと淡い期待を持ってみたり持ってみなかったり。計算上は足りてるんだけどなぁ。

さて、先日こちらの玩具店でトランペッターのカタログを眺めていた所、どうやらトラペはE-100突撃戦車を発売する予定のようで。恐らくニューコネクションのコピーでしょう。何年か前にトラペは7号戦車レーヴェをアナウンスした事があったように記憶しているけど、という事はニューコネとトラペは協力関係にあるのかな?あの辺りのキテレツキットがインジェクション化されるのは大いに歓迎。出来の良いルッチャーなんか見たら泣いてしまいそう。

割とブランクを置いた今回のポストで紹介するのは、オスプレイMen-At-Armsシリーズから一冊。前回のkaz氏への反論エントリの続きを書こうか大いに迷ったども、時間が経ちすぎているのでパス。時間が経った物を蒸しっかえすのは粋じゃない。大人ならそうするでしょう。

さて、本書はタイトルからわかる通り、第二次大戦期のドイツにおける、警察組織について扱った本。著者はGordon Williamson氏で、イラストはGerry Embleton氏による物。

THE POLICE HAD ALWAYS HAD a respected status in German society. (P. 3)

≒「警察はドイツの社会において常に尊敬を受ける対象であった。」なんて書き出しから始まるこの本。国防軍とSSの中間に存在した組織としての「警察」、という物を取り扱ってる資料は意外に少いので、興味があればまずここからとっかかってみるのが良いと思う。

構成としては非常にオスプレイスタンダードで、「歴史」、「構成」、「イラスト&解説」の三部構成。

歴史はザックリした解説にすぎず、やはりその組織構成の解説に殆どのページが費やされている。親衛隊という党組織の下に置かれた国家権力だった「警察」、さらにその中でとにかく細かく別れている複雑な組織を良く解説している。

組織の解説で取り扱われてるのは、大きくわけて三種類。「秩序警察」「Gendarmerie(辺境警察?)」「特殊&補助警察」の三つ。勿論警察独特の階級だったりとか、肩章、袖につく国家鷲章なんかについての解説も一応ある。掲載されている写真は非常にクリアで、国防軍と同じに見えて細部の異る警察組織の制服の細部も確認出来て素敵。

それぞれの制服の差異についても解説がされていて、記事を読んだ後にカラーイラストを見ればそれで完璧、と言って良いぐらいの詳細さ。

カラーイラストは24種類とたっぷり。いわゆるフィールドグレーの制服だけでなく、ブラウンのSA憲兵やネイビーブルーの水上警察、深い青の消防やフィールドブルーの航空警察などあまり他で見かけないイラストも含まれていて有り難い。特に消防の制服は、一般的な国防軍のフィールドグレーの制服に僅かな改造を加えるだけで再現できそうで、しかもその深い青に赤いラインという独特なカラーリングが目を引きそうなので機会があったら作ってみたい。

服装で目を引くのは、やはり警察徽章。とくに帽子についている時は、国防軍/SSの国家鷲章と比べてメダル自体が大きいので非常に目立つ。階級章も若干形が違う、右胸の国家鷲章もついていない事が多い、などなど、同じに見えて細かな差異が多いのでその辺りが写真から把握できるのは儲け物。黒のパンツァージャケットを着ている警察機械化部隊なんかも作ってみたい、と思わせる素材。黒の制服に鮮やかな緑のパイピングが目を惹く。

感想としてはとにかくドイツ警察機構の複雑さにビックリ。例えば秩序警察と辺境警察の区別であったり、鉱山警察や工場警察といった分類の多さ。しかもこれに国防軍と武装親衛隊が持つ憲兵隊が加わるわけで、良くもまぁやってたな、という印象。

カラーイラストだけで買う価値がある本だと思う。値段もオスプレイという事もありそう高くないので、一冊買っておくとちょっと面白いかも。

★★★★☆(4)

じゃあ、今日はここまで。