低彩度塗装実験

社会人になって早くも約4週間近くが経ちまして、10月入社が一人、全社員の階層構造の最下層が一人、同期なんていないのが一人、昼休み静かにうどんを啜ることに安らぎを見出すのが一人、みんな併せてたった一人。(参考:白い勲章)そんな状況にも慣れて…きてるのか…?だがそれでも25日がやってきて、社会人として初の給料を本日頂きました。

閑話休題。

さて、フィギュアを塗る上では、ベースが必要となることがございます。果たしてそれがグランドワークのついた、いわゆる作品の一部としてのベースなのか、或いは単純な飾り台なのか。それは手前にはよくわかりません。が、少なくともフィギュアがあまり自立による安定性を期待できない代物である限り、何処かで何がしかのベースを奢ってやらねば、人間よりもずっと小さな彼らは安定して立つ事能わざるわけでございます。

で、フィギュア単品の場合はまあ、ユーロミリテールの作品群を見る限り、人の思いつく限りのレイアウトは試されているようではありますし、意表を突かれた、というしかない見事且つ斬新な物も良く御座います。では翻ってフィギュア車両と組合されたとき、フィギュアというものがいつも添え物扱いになっていないか、そんなふうに考えてみたわけです。もちろん車両には華がある。よくわかる。例えキューベルワーゲン程度でも工業製品らしく情報量は非常に多い。だからこそヴィネットやジオラマ等では車両が(例え切り身になっていようと) 添えられるのではないか、とこう考えるわけです。

では、そこで主客転倒を起こせないのか。車両をわき役として、例えば一体の フィギュアへと、自然に視線が誘導されるようには出来ないのか。そんな事を考えまして。となると普通の方策としてはフィギュアの情報量を上げることが第一ではありますが、逆に車両の情報量を下げてやればいいのではないか。相対的にフィギュアの情報量を向上させればいいのではないのか。
しかしその場合の大きな問題点として、車両の場合は情報量を削ると露骨に手抜きに見えるという点がございます。然らば、手抜きに見えない、具体的にいうと抜いても大丈夫な情報を省きつつ、それなりに見えるようにする。即ち何らかの方法で情報の密度は保ちつつ、抜ける情報を抜いてやるしか方策がないのではないか、そう考えまして、じゃあ彩度抜こう、とそういう結論になりました。実際モノクロ映画や写真が成立するんだから、モノクロまでいかなくてもガッツリ車両の彩度を下げてフィギュアの彩度を維持してやれば注目を引けるのではないか。
そう思ってやってみているのがコチラ。

003

時間が無いため久方ぶりに塗装にラッカー塗料を使用しておりますがまあ割と見られるものになっているんじゃないかというのが感想。レシピはガイアのドゥンケルゲルプにミスターカラーGXの黒と白を混ぜて適当に。厳密なドゥンケルゲルプって意味では大嘘の色ではあるんだけど、これぐらいグレーに振ると良いのかな、と。ただ今ウェザリングに困っていて、ブラウン型のピグメントはあまりに彩度が高くてそこだけ受く、というか目立ってしまうんだなぁ。

005逆にフィギュアの塗はファレホでヌルっと。というわけでこの二つを並べてみるとこれだけのコントラストが勝手に出来あがるわけで、狙い通りの方向に向かってはいるんじゃないか、という自画自賛。あとはこの二つを更にモノクロ近くまで彩度を落としたベースに盛ってやれば、グレーの中に一人だけ色のあるフィギュアが立っているような状況を作り出せて、かなり目線の誘導ができるのではないか、そんな妄想中、ということでござんす。

じゃあ、今日はここまで。