小バッチでレンズを作っているMS-Opticsというメーカーがありまして。いかんせん流通数が限られている事もあって、買おうと思っていない時には在庫を見かけるのに、買おうと思った時には物が無いようなメーカー筆頭で。例えば過去欲しいなと思ったSonnetarなんかも最早中々手の届かない値段になってしまいまして。今まで何度も悔しい思いをして来たのだから、じゃあ後悔が無いように買ってしまおう、と先日一本ポロリと入手したのです。
購入したのはElnomaxim 55mm F1.2。F1.2! 一眼レフ用としてはポロポロ存在するスペックですが、レンジファインダー用では1.4の下がすぐ1.0とか0.95とかになってしまうせいであんまり見かけないスペックです。開放では随分フレアっぽい代物との事なので、ソフトレンズ好きな手前には何かクる物が御座いまして、コイツを選びました。
実写。アダプタ経由でパナのS1で。フ、フレア!上品なソフトレンズめいた描写が実にセクシー。発色も流石近代レンズらしくバリっとコントラストが高くて実に良し。
解像していないわけではないんですが、その周りを過激なフレアがホワっと包むような描写。実に優しい、楽しい画です。
モノクロフィルムで絞り込んで。開放がF1.2と明いのでISO100程度のフィルムでは絞り込んで使う事になります。絞り込むと解像度そのままにフレアだけがスっと鳴りを潜める二面性が面白い。とはいえ絞って使うなら他に幾らでも良いレンズが御座います。
究極的にはやはり夜使うのが楽しいレンズだろうな、というのが正直な所。夜に比較的早いSSを使いながら、昼間とは少し違う見た目の街をフレアと一緒に記録していくのが本道のレンズなのかなと思う次第。
コロナ禍の影響もあり中国からのバイヤーが減って割と在庫が残ってるそうなので、気になったらとりあえず買ってみるのが宜しいかと思います。
じゃあ、今日はここまで。