最近はドラクエ9が流行っているようで、秋葉はヨドバシカメラの前に行くとDSと睨めっこした人々が大量にいたりする。 自分はRPGは殆どやらないので今一その熱狂っぷりは良くわからないんだけども。 そんな自分が未だに最高だと崇拝してやまないゲームの一つにセガガガ/SGGG(Wikipedia)がございます。セガという時代を先取りしすぎて自爆するメーカーの面目躍如とでも言うべきゲームで、「セガ経営シミュレーション」というジャンル自体が既にもうキてる代物。そのプロデューサーであるゾルゲール哲氏の単行本であるゾルゲ大全集の上/下巻と、セガ分社化時代にヒットメーカーのウェブサイト上で連載されていた漫画を集めた「ゾル漫―えびいぬ君」を購入。
とにかく(当たり前だけど)ゾルゲール氏のテイスト特盛。多分代表作と呼んで差し支えない、上巻に収録されている「超ゲーム少女ユーゲ」。いわゆる糞ゲーと呼ばれるゲームを主人公の男の子に強制的にクリアさせ、それを糧に生きているゲーム少女ユーゲを中心に据えたギャグストーリー….だった筈が、一転後半になると”ゲーム”という物の存在意義に触れるが如き内容へとチェンジ。最後にはセガガガの内容ともリンクすると言う荒唐無稽さ。
普通の漫画と違い、次のページに何が起こるのか、最終的にどこに辿りつくのか、そんな物が全く見えないノリが延々続く為、大いに人を選ぶ事は必至。 が、それがツボに嵌れば多分最高に笑える筈。所々透けて見えるゲーム業界という物についての批判や、クリエーター達に対する感情を想像しながら読むと更にドロドロした物を裏に感じられて、片頬がニヤリと歪む事請け合い。
下巻で最大のスペースを割いて掲載されている「横綱大社長」もその雰囲気を存分に持っていて◯。最初は無敵の横綱が大企業の社長である父親の死をキッカケに社長に就任。大相撲主義による日本統一を目指す(この時点で既に無茶苦茶ではあるが)…話だったが最後には宇宙大名との決戦の為宇宙へ。 途中には東映の宇宙大戦争のパロディともとれるような描写があったりして、元ネタ探しも楽しい。良いなぁ、ゾルゲ氏。
えびいぬ君は殆どが一ページ完結ながら、作者がおもいつき漫画と銘打っているだけあって上記のゾルゲ大全集に収録されている漫画達よりも更に荒唐無稽。二話目にして北斗の拳的雰囲気を醸し出し始め、二十話あたりでは収集がつかないからと言ってSFチックに大転換。三十話前後で再び収集がつかなくなり麻雀漫画へとシフト、と言ったようにもう何がなんだかわからない。でもそこが楽しい、という「アイツの事なんか全然好きじゃないけどどうしてか気になる」的感情を呼び起こされる漫画です。
そんなゾルゲ大全集とえび犬くん、あの狂気に満ちたセガテイスト好きな方なら楽しめる筈。是非。